ふみ函

霊岸島の橋(『3月のライオン』を歩く①)

『3月のライオン』が実写映画化されたのを機に、
作品の舞台となった川沿いの地へ。

主人公の桐山零(れい)が住んでいるのは、
隅田川、亀島川、日本橋川に囲まれた、
旧・霊岸島(現・中央区新川)。

あちこちに水門や船だまりのある、
水辺の街。


亀島川水門


映画の中で、零は亀島川水門の見える
南高橋(みなみたかばし)を渡り、


南高橋


今は埋め立てられてしまった八丁堀(桜川)に、
以前架かっていた稲荷橋の跡を通り、


桜川稲荷橋跡


JR八丁堀駅への階段を下りて、
将棋会館のある千駄ヶ谷へと向かっていました。


JR八丁堀駅


でも原作漫画で零がしょっちゅう渡っていたのは、
南高橋から一つ北側の高橋(たかばし)。
「たかはし」ではなく、「たかばし」と濁点付き。

江戸時代には、
湊からの船が頻繁に出入りする場所だったので、
大型船の航行を妨げないよう、
橋を 「高く」 架けたことが名の由来とか。
欄干デザインは波のイメージ。


高橋から南高橋を見る


原作の零は、八丁堀駅に降りるのではなく、
そのまま亀島川沿いに北上して、
八重洲通りから東京駅に向かっていたようですね。


中央大橋への階段


霊岸島と佃島を結ぶ、印象的な中央大橋。
橋へ上るためのこの階段も、
原作の扉絵に描かれていました。

この狭い路を右手に折れて、
下に下ると隅田川テラス。


隅田川テラスと水位観測所跡


この近未来的オブジェのようなものは、
「霊岸島水位観測所」。
3角形のフレームは、土木や建築の設計図などに
高さを表す記号として用いられる▽のイメージ。
観測室は、斜方十二面体という形。
見る位置によって、正方形、正六角形、八角形、
と変化して見えるのだとか。


霊岸島水位観測所シンボルタワー


テラスから見る中央大橋。
何本もの鋼線がぴんと張られた雄姿は、
帆船のようにゆるぎない美しさ。


隅田川テラスから見る中央大橋


広い広い、風通しの良い橋。
この上を歩いていると、
このぴんと張られた鋼線に、
頭上を守られているような頼もしさと、
祝福の晴れがましさを感じます。

すっくと立つ橋柱は、
巨大な琴柱のよう。


中央大橋上


橋を渡って、対岸の佃島へ。


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はじめての矢来能楽堂

「はじめての矢来能楽堂」とうたった
初心者向け能楽ワークショップに参加。

ワンコインで気軽に参加できるこの催しは、
もう何回も行われているそうです。


矢来能楽堂門


牛込の矢内町にあるこの能楽堂、
存在は知っていましたが、入るのは本当に初めて。

椅子の背には、一つひとつ違う言葉が。
私の前の席の背には
「天下泰平 國土安寧」の文字。
『翁』の詞章ですね。


椅子の背の言葉


昭和5年に建てられた以前の能楽堂は、
昭和20年5月に空襲で焼失してしまい、
現在の舞台は昭和27年に建てられたものとか。

椅子席、座敷席合わせて約230名収容。
舞台は3間四方。
国立能楽堂が6間四方だそうですから、
半分ほどの大きさ。
小ぢんまりと、親密感のある空間です。


矢来能楽堂舞台


今回のワークショップで体験するのは、
広がる蜘蛛の糸が派手やかで印象的な『土蜘蛛』。
人気曲ですよね。


衣装展示


通路には、『土蜘蛛』で使用される
唐織の衣装や、赤頭、
「顰(しかみ)」面などが展示されていました。


面袴展示


まずは能楽や能楽堂の解説。
参加者全員で謡曲『土蜘蛛』の一節

        
           化生(けしょう)と見るよりも
           枕にありし膝丸(ひざまる)を
           抜き開き ちょうと切れば
           背(そむ)くるところを
           続けざまに
           足もためず 薙(な)ぎ伏せつつ
           得(え)たりや おゝと罵(ののし)る声に
           形は消えて 失せにけり
           形は消えて 失せにけり


を座席で声を揃えて謡ったあと、
楽屋で白足袋をつけて、
いよいよ舞台へ。

土蜘蛛を切って退治する「頼光」役と、
「土蜘蛛」役の二手に分かれて、
それぞれの動きを教わってお稽古。
本来の動きより、かなり単純化されています。

私は土蜘蛛の方。
本式の「蜘蛛の糸」は、かなりお値段が張るそうですが、
簡易版といえども、一人一人これを投げるなんて、
滅多に出来ない体験。

掌に収まるサイズの紙包みから、
ぱあっと糸が広がるたびに拍手。
広がり方は人それぞれ。
素晴らしく綺麗に広がった時には、
拍手の音も大きくなりました。

お子さんたちが参加しているのは、
嬉しい眺め。


ワークショップ土蜘蛛


広がってしまった糸は、
もうもとの形状には戻りませんが、
記念に持ち帰りました。

楽しかったなあ。
良い体験をさせていただきました。


使用後の蜘蛛の糸



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「動物集合」の動物たち

東京国立近代美術館工芸館の
「動物集合」展へ。


「動物集合」看板


着物や帯留めの動物柄も素敵でしたが、
第二室のこの屛風はたいそう印象的。
寺井直次「極光」(1956年)。
漆と卵殻を用いた作品。

妖しのような狐たち。
凍えるような空気まで感じられて、
しばらく見入ってしまいました。


「極光」


ポスターや看板にも使われている、
この猫の存在感もすごいです。
大塚茂吉「猫」(2005年、陶・テラコッタ)。
なんだかスフィンクスみたい。


陶テラコッタ猫


ついついいろんな角度から
撮ってしまいました。


ガラスケース猫横向き


何度見ても楽しい「蛸図大皿」(1925年)。
バーナード・リーチさんは、
「鹿図」タイルも生き生きとしているし、
日本民藝館で観た馬図も素晴らしかったし、
動物がお好きだったんでしょうね。


蛸図大皿


この所蔵作品展は5月21日まで。


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薬王院の牡丹

新宿区下落合の薬王院。

”牡丹寺”と言われる名所ですが、
ちょっと奥まったところにあって、
ひっそりしているのが好ましいところ。


薬王寺水盤


ふと思い立って、
用事のついでに立ち寄ってみたら、
ちょうど見頃。


牡丹1


華やかな大輪の連なりは、
ドレスを広げて舞う、
夜会の貴婦人たちのよう。
艶やかですね。


牡丹2


階段を上って、あちらこちらと鑑賞。
盛りを過ぎた花は、潔く切ってしまわれたようで、
茎だけになっているところも。

添えられた手摺は新しい青竹。
清々しい色です。


竹の手摺


階段上のほうの梅の木に、
早くも青梅が実っていました。
季節は着々と進んでいますね。


青梅実





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白い花

浄輪寺の墓地に群生していた、
おおあまな(大甘菜)の花。


浄輪寺おおあまな


もともとは鑑賞用だったものが
野生化した花ですが、
清らかな白ですね。
英名は「Star of Bethlehem(ベツレヘムの星」)。


おおあまな


こちらは下落合で目にした、
白い野薔薇の垣根。


野茨の垣根


軽やかな白ひといろの中で、
黄色い蕊が可憐な印象。


野茨


陽射しが強くなってくると、
白い花はことに涼やかに映りますね。



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