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ふみ函

雨のなかの散歩

はやばやと関東地方も梅雨入り。

週末にかけても雨続きでしたが、
青葉若葉の季節でもあり、それがあたりを明るませるようで、
散策も悪くありません。

薔薇と窓

これは降り始めた雨のなか、
頭重たげにうつむく初々しい乙女のような薔薇。
五月は薔薇の季節。



ベンチ

翌日は久しぶりに井の頭公園へ。
ベンチの足元の、うずまきと銀杏のデザインがなかなかお洒落。



ボート

さすがに雨のなかボートに乗るひとは皆無。
ひっそりと乗り場に集結しているボート群は、何かのオブジェのよう。
雨の日ならではの眺め。

でもこのなかにたまってゆく雨水は、どう後始末するのでしょうね。




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長谷川潔展

先週末には、横浜美術館で開催中の「生誕120年記念 長谷川潔展」へ。


ちょうど5年前の2006年にも、ところも同じこの横浜美術館で長谷川潔展があった時、
そのあまりに繊細でうつくしい銅版画にすっかり魅せられたので、
今回、再会するのを楽しみにしていました。


アネモネ

『花(切子ガラスに挿したアネモネと草花)』
吹き付けのレース模様の綺麗なこと!



横顔


『横顔』
漆黒の背景が、ただのベタではなく、なんともいえぬ深みを感じさせます。


深く澄んだ精神世界を感じさせる鳥や草花や静物の世界も素晴らしいですが、
賀状やクリスマスカードのデザインがこれまた可愛い!


『クリスマスの夕べ』
 (クリスマス・カード 1952年)     

       クリスマスの夕べ


この図柄、大好きです。
こんなカードもらえたらご機嫌ですね。


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水木(みずき)の花

梅雨の走りか、空気に重たい湿り気を感じます。

いつの間にか初夏の花が次々に。

みずきの花

水木の白い集合花は、遠くから見ると
緑の波のうえにぽかりぽかりと浮いた水母(くらげ)のようにも見えますが、
近くに寄って見ると、ひとつひとつの花弁は可憐ですね。

白い花火がぱっとはじけたみたいに。

みずきの花寄り



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朗読劇

シアタートラムの「日本語を読む その4」に行ってきました。

日本語を読む



もともと聴き手の想像力にゆだねられる部分の大きい朗読劇は好きなのですが、
小説やら童話やらを朗読した今までのシリーズと違い、
今回の朗読劇はもともと戯曲。
ト書きまで全部読んでいくのが新鮮でした。
むしろ、普通に上演したら耳にすることのない部分なのだから。
そこには作者の意向が感じられて印象的。

Aプログラム「ザ・シェルター」作:北村想 演出:大澤遊
Bプログラム「家、世の果ての…」作:如月小春 演出:北川大輔
Cプログラム「夜の子供」作:生田萬 演出:吉田小夏

いずれも1980年代の作品。
AプロとCプロを拝見しましたが、少しも古くなく、むしろ非常に近しい感じ。
ことに”核ミサイル戦争中にも家族の安全を守るためのシェルター”に、
その制作会社につとめる男と、その家族が確認実験のために入り、
電気系統のトラブルでしばらくとじこめられてしまう「ザ・シェルター」は、
停電、闇、息苦しさをあらわす台詞にびんびん反応してしまいます。
今、大震災後のこの時期に耳にすると、あまりにもリアル。
家族が語り合う台風の記憶や、浸水する家の様子も臨場感がありすぎる。
震災前だと、ここまで響いてこなかったかもしれません。
あの大きな災害は、やはり世界を変えてしまったのですね。

Cプロ「夜の子供」のほうは登場人物も多く、
混沌としながらも祝祭的なイメージ。
コトバ遊び、語呂合わせで思わぬ転換を生むやりとりは、
野田秀樹さんの作品を彷彿させます。
過去と現在が行ったり来たり、入れ混じったり。
パタパタくるくる入れ替わる時制。遠く呼びかける幼い日の自分。
あったかもしれない世界。
どこまでが本当で、どこからが妄想か、そんな区別さえ分らない。
ドタバタしながら、いつの間にか抒情的に立ちあがってくる言葉。
「さよならニジッセイキ(二十世紀)」の台詞が胸に染みます。
昔まだ駒場小劇場で観ていた頃の、
夢の遊眠社の舞台をなつかしく思い出しました。



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亀戸天神

藤まつりの最終日、亀戸天神へ。

例年はもっと早く咲き揃うことが多いけれど、今年はまだ見頃。

藤棚


池と藤棚


紅いお太鼓橋


古くからの名所だし、たくさんのお客さんがいたけれど、
それでもここはなんだか鄙びた感じでなごみます。
お太鼓橋も可愛い。


ここはおみくじも薄い藤紫で、
見た後、細く結ばれてゆく紙も、藤の花房のよう。


藤色みくじ


お社に向かって左手のほうの石垣に、漢詩が刻まれています。


石垣


菅原道真公の漢詩「九月十日」ですね。
道真が大宰府に流されて迎えた九月九日菊花の候に、
一年前の清涼澱での菊見の宴を思い出し詠んだもの。

清涼殿の詩

去年今夜侍清涼 (きょねんのこんやせいりょうにじす)
秋思詩編獨断腸 (しゅうしのしへんひとりだんちょう)
恩賜御衣今在此 (おんしのぎょいいまここにあり)
捧持毎日拝餘香 (ほうじしてまいにちよこうをはいす)

訳)
  ちょうど一年前の今夜、清涼殿で菊の宴が催され、
  「愁思」の勅題で詩を作った
  そのおり、心に墳り悲しむことがあり、
  詩は腸もちぎれんばかりの悲しい思いに満ちた詩となった
  その詩が帝のお心にとまり、恩賞として御衣を賜った
  思い出の深いその御衣は今ここにあり、
  毎日捧げたてまつり、帝をしのび余り香を拝している

道真公ゆかりの天神様だから、この漢詩が刻まれているのも道理だけれど、
なつかしいなあ。

亡き母が詩吟をやっていた頃、うちでの稽古でよく耳にしていたので、
私もこれはそらんじることが出来ます。
小さい頃、耳から覚えたものは忘れないものですね。
母の声を思い出しました。


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江戸絵画展ふたつ

連休後半は江戸絵画の魅力的な展覧会へお出かけ。
まずは府中市美術館の「江戸の人物画-姿の美、力、奇」展へ。

府中市美術館

入るといきなり大判の曾我蕭白「寒山拾得図」。
手足の爪がケモノのように長く鋭く、不気味な迫力。
蕭白の描く人物は、どこか気がふれてるようで得体がしれませんね。

蕭白美人図


”「人のかたち」に注目しながら、江戸時代の絵画をご覧いただく展覧会”とは言いながら、
まっとうなものばかりではなく、妖怪めいたものも。
伊藤若冲「付喪神(つくもがみ)図」にはびっくり!

つくも神

つくも神とは、長い年月を経て魂が宿った道具たちのこと。
なんともシュールな絵だけれど、非常にシャープで現代のイラストのよう。
横溝正史や江戸河乱歩の挿し絵を描いていた竹中英太郎を連想しました。

波の上で完全体の骸骨が座禅をしているという、
円山応挙の「波上白骨座禅図」も虚を突かれてしまいます。
白骨とはいえさっぱりとしていて別に怖くはないけれど、
応挙がこんな作品を残していたなんて。
珍しい作品ばかりで見応え充分。

次の日は板橋区立美術館の館蔵品展「江戸民間画工の逆襲」へ。

板橋区立美術館

素晴らしいセレクションなのに無料公開というありがたさ。
観ていて文句なしに楽しかったです。

前日、府中での展示を観たばかりだったから、
同じようなモチーフが多いなあ、と連続性を感じました。
ここにも違う絵師による「蝦蟇仙人図」があったし、
前日観たような「乙御前図」(つまりお多福の顔)もあるし、
当時いかにこういう図柄が出回り、皆が飾っていたか、
江戸時代の生活が身近に感じられます。

花も着物も大好きなので、絵のなかのそれらを眺めるのは楽しいこと。
花の絵の精密なうつくしさといったら!
透けるような花弁の「江戸法来寺桜図」は、
織田信長の子孫で、桜描きの名手だった女性・織田瑟瑟の作。

桜図


抱亭五清「蛍狩二美人図」の着物も素敵!
格子柄の紗の着物を透かし、紅い襦袢がちらちら見えているのもなまめかしく、
博多のような細帯も面白い結び方。
もうひとりは白地に淡い紫の藤模様。袖口にかけて紅糸のかがり。
下唇に緑色の笹紅を塗っているのは当時の流行りとか。
なんてお洒落なお二人さん。

蛍狩二美人


ひとをひきつけるような惹句が大きく添えられた展示タイトルもなかなか。
「月に誘われ夜のお散歩」とか、「三囲神社でお月見だい」とか、
「今日も暑くてたそがれちゃうな」とか、 思わず顔がほころんでしまいます。
絵師紹介や作品紹介も分りやすく、字も大きくてとても良いですね。
お座敷をしつらえ、座布団に座って屏風絵を鑑賞できるコーナーも嬉しく、
板橋のスタッフ一同に感謝感謝。

龍虎


板橋は良い展示をやるのに、交通の便が良くないのが難。
どの駅からも遠く、駅からのバスも混むし、途中上ったり下ったり、
たどりつくまでが大変なのです。

でもようやく館に着くと、
”不便でゴメン”の幟が立っているので、笑ってしまいました。
笑って許すしかありませんね。

不便でゴメン

二つの展覧会は、いずれも5月8日(日)まで。



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