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ふみ函

柿とタネ

柿の盛りの季節。
スーパーでもたくさん売っていますね。


柿とタネ


久しぶりに筆柿を買って、美味しくいただいたのですが、
食べながら除けていったたくさんのタネを並べてみて、
ああ、おつまみの「柿の種」って、本当にこの形なんだと実感。

このところ平核無柿(ひらたねなしがき)だとか、
富有柿(ふゆうがき)だとか、
そもそも種のないものやら、
あってももっと丸みのある平たいものばかりで、
こういう細身のタネのかたちを忘れていました。
「柿の種」おかきのモデルは筆柿系だったんですね。





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銀座ドライトマト

歌舞伎座の裏手エリアをぶらぶら散策していたら、
青い庇の下にぶら下がった真っ赤な唐辛子。
まるで吊るし飾りのよう。


干し唐辛子


道に面した樽の上には、これまた真っ赤なトマト。
干されて濃縮してゆく最中。
鮮やかで目を奪われます。


干しトマト


地下にあるイタリア料理店「Baffo」の食材のようです。
薪も積まれているのは、窯焼き料理のためなんですね。

オブジェのような干し野菜のけざやかさに、
思わず入ってみたくなります。
赤の吸引力はいつも絶大。


干し唐辛子2



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映画「もしも建物が話せたら」

第27回東京国際映画祭で上映された
ドキュメンタリー映画「もしも建物が話せたら」を観ました。
[ 原題:Cathedrals of culture(=文化の聖堂), 2014年 ]


もしも建物が話せたら


26分×6パートのオムニバスドキュメンタリー映画。
「もしも建物が話せたら、彼らは何を語るだろう?」というテーマで
6人の監督たちが、制作総指揮のヴィム・ヴェンダースのもとに集結し、
それぞれ異なった都市からアイコンとなる建物を選び、
建物自身が語るユニークなかたちでその内部を描き出した作品。

・ベルリン・フィルハーモニー
(ドイツ・ベルリン)
監督: ヴィム・ヴェンダース

・ロシア国立図書館
(ロシア・サンクトペテルブルク)
監督:ミハエル・グラウガー

・ハルデン刑務所
(ノルウェー・ハルデン)
監督: マイケル・マドセン

・ソーク研究所
(アメリカ・サンディエゴ)
監督: ロバート・レッドフォード

・オスロ・オペラハウス
(ノルウェー・オスロ)
監督:マルグレート・オリン

・ポンピドゥー・センター
(フランス・パリ)
監督: カリム・アイノズ

冒頭のベルリン・フィルハーモニーホールは素晴らしい導入部でした。
建物自体も豊かな温かみが感じられますが、
観客を惹きつける語り口の鮮やかさは、さすがヴェンダース!
設計者シャロウンの像がふっと動き出し、
その彼が動いている場面だけモノクロになるところなど、
「ベルリン・天使の詩」の場面を連想させられます。
あの作品の天使たちはベルリン国立図書館に佇んでいましたが、
そちらも同じシャウロンの設計で、
開放的な広がりのある空間のリズムに共通性を感じます。

5番目のオスロ・オペラハウスは幻想的な印象。
あくまで白く透明感のある外観。
そこに真っ赤なガウンをまとって入ってゆく女性など、
白いキャンバスに色を塗るような鮮やかさ。
バレエダンサーの舞台稽古や本番の様子も印象的。
劇場は音や色や動きに満ちていてドラマティックです。

刑務所や研究所はそういう華やかさがないだけに、
いささか分が悪く、単調な印象。
特にソーク研究所は建物が語るというスタイルをとらず、
建築賛美のナレーションと同じような映像の繰り返しで、
ちょっとうとうとしてしまいました。

図書館員としては2つの図書館にも目を惹かれます。
2番目に登場するロシア国立図書館は圧巻!
1796年から1801年にかけて建造されたという、
ネフスキー大通りに面した新古典主義建築の建物。
ロシア最古の公共図書館とのことで、その古めかしさは、
何十年も前のまま時が止っているかのよう。
迷宮のような書架と目録カードボックスの連なり。
閲覧机の緑のスタンドライトはキノコを思わせる丸み。

司書が書庫へ本を取りに行ったり、
古ぼけたダムヴェーダで本を受け取ったりする姿にも興味津々。
出て来る本がどれもこれも古びて角も傷みがあり、
書架にブックエンドもなくて斜めになっているのも目立ちます。
現代にもまだこんなところがあるとは。
この作品はミハエル・グラウガー監督の遺作となったとか。

最後のポンピドゥ・センターは巨大な総合文化施設なので、
図書館だけではなく、美術館部分や映画施設なども登場しますが、
多くの利用者たちが居並ぶ閲覧席や現代的な書架は、
ロシア世界と見事に対照的。

建物は”鉄と木と記憶の箱”というナレーションが心に残りました。
彼らは皆、身の内に今までの記憶をひっそり抱えているのでしょうか。

2015年にWOWOWにてプレミア放送予定とのこと。
またじっくり見返してみたいです。



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中華街路上マネキン

夕暮れの横浜中華街。
関帝廟通り沿いのちいさなタバコ屋さん前に立つ、
小粋なカエルくん。


街角カエル像


煙草をくわえ、なかなかの洒落者。
舞台でピンスポットを浴びている
タップダンサーみたいな雰囲気。


カエル像


横濱中華学院の角をまがって、
右手の長安道を進むと、
「馬さんの店龍仙」前には、
福々しい男女一対がお出迎え。


馬さんの店人形

馬さんの店人形2


不二家のペコちゃん人形のように、
お店の前に立つ路上人形はおなじみですが、
さすが中華街のものは独特の存在感。

こういうのはどういう名称で呼べばよいのか、と
ちょっと検索してみたら、
「マネキンのキッチュな世界」(井上章一)
という文章が目にとまりました。

こういう人形もマネキンの一種ですが、
路上にあるのは日本独特の文化だそうです。

マネキンという呼び名は、元々フランス語で「モデル」を表す
Mannequins(マヌカン)という読みでは客を「招かぬ」に通じるので、
「招(まねき)猫」とかけて造語されたのだとか。
なるほど!
確かに思わず吸い寄せられてしまいますね。


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蔦をまとうバイク


まるで網をかけたように
蔦のからんだオートバイ。


蔦絡みバイク

持ち主の方はどうなさったのでしょうね。

人工物が自然のなかに埋もれて一体化してゆく。
そんな遺跡のような滅びの風景に目を惹かれます。

渋谷区東二丁目にて。


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永遠の都、雲の都

加賀乙彦氏の長編小説『雲の都』、
ようやく最後(第五部「鎮魂の海」)まで読了!

雑誌「新潮」での連載が完結し、
単行本が刊行されたのは2012年のことなのに、
ずいぶん遅くなってしまいました。


永遠の都、雲の都


これは作者の加賀さんの自伝的部分が色濃い大河小説。
『雲の都』の前史にあたる『永遠の都』(新潮文庫全7巻)が
主人公悠太の幼少年期である昭和10年~昭和22年を描いたのに対し、
その続編として戦後から21世紀に足を踏み入れた2001年までの
激動の時代が描かれています。

血のメーデー事件、嵐のような学園闘争、
さらに阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件など、
さまざまな出来事が主人公を翻弄しますが、
私自身の記憶にも焼き付いているものも多く、
あらためて大きな歴史の流れにめくるめく思い。

ちなみにタイトルの『雲の都』とは、
『新撰万葉集』の歌のひとつに由来します。


かき崩し 散る花とのみ 降る雪は 雲の都の 玉と散るかも

散って舞うかとばかりに振り続ける雪は、
雲の上の都の白い玉片が散ってくるのだろうかしら。

『雲の都』第五部「鎮魂の海」第一章 p.106



一方、『永遠の都』のタイトルは、
悠太少年のこの独白に基づいているようです。


永遠の都、そんなものは幻想に過ぎない。
そして、草原のように平らな木造家屋の街は消え、
突兀(とつこつ)とした石と鉄の街を、
ぼくにとっての異郷を、
いつかは故郷と呼ばねばならない


(『永遠の都』7「異郷」より)



この苦い独白には胸を突かれました。
元々の東京者ではないにせよ、
すでに35年暮らして、その間の変貌に立会い、
消えゆくものを哀惜をもって眺めてきた私にとって、
その切なさと痛みは共感できるもの。
やはりこの物語の主役は、
変貌し続ける東京という街なのですね。


永遠の都を歩く


2002年当時、私がこつこつ作っていた手書き個人誌「道草だより」に、
『永遠の都』を歩く”と題して、物語の舞台歩きについて書き記しました。
昭和10年代の「大東京三十五區分詳圖集成」の地図を見つつ、
都立中央図書館の東京室にも通い詰め、
現実の街を歩き回り、また昔の資料を頼りに過去へと降りてゆく。
かなり気合の入った力技でした。
記事の見出しは以下の通り。

・淀橋區大久保方面
改正道路~抜弁天/西向神社/脇家への道/戸山ヶ原・戸山学校/
大久保小學校界隈/府立大六中學校/市電の走る町

・芝區三田方面
二之橋~慶応義塾/三之橋~古川橋/安全寺坂/
子育て地蔵・春日神社・札の辻/魚藍坂~泉岳寺/
白金(しろがね)一帯/聖心女子學院~広尾

・本郷區
帝國大學/不忍池・弓町

・本所區
帝大セツルメント/川と橋のある町/太平町

・中野區~府中町 透の囚われた場所
豊多摩刑務所/府中刑務所

・世田谷区 利平の治癒と回想
松沢病院の緑

・蒲田區
武蔵新田・矢口町/多摩川河川敷~六郷橋

我ながらよく歩き、頑張って調べたものです。
その昔、帝大セツルメントがあった柳島あたりは、
もうその面影もありませんが、それに関する回想記などを読み、
実際の場所を歩いて当時の様子を想像してみたり。

歩いて、記事をまとめている間にも街は刻々と変化していきました。
太平町に辛うじて残っていた精工舎の時計塔は解体間近でしたし、
木暮家(実際には小木家)跡に建てられていた金属健保会館は、
ちょうどその頃「純福音東京教会」へと変わって吃驚。

偶然ながらこの個人誌をまとめた直後に、
朝日カルチャーセンターで作者の加賀先生による『永遠の都』講座があり、
直接この冊子をお渡し出来たのも懐かしい思い出です。

続けて『加賀乙彦自伝』(集英社)を読んでいます。
まだ幼い加賀さんを抱っこしているお母様(初江さんのモデル)、
本当に”大きな輝かしい目”で素敵!



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